沖縄の演劇
今日は昼から、雨。
いつもはザーっと降って、やんで太陽が出たりするけど、今日はまとまった銀色の雨。
土曜日の夜、北谷のニライセンターで芝居を見た。
『かじまやー、カメおばあの生涯』という作品。
演出は栗山民也さん。
5年前から年に何回かワークショップをしていたみたい。
主人公のカメさんを吉田妙子さんが、その息子を藤木勇人さんがやり、他はワークショップやオーディションで決めた人たちで構成されていた。
「沖縄の反戦ばあちゃん」と呼ばれていた、実在した人の話をもとにしている。
戦後命からがら家に戻ったけど、すぐに米軍基地に接収され、10年後やっと返還されて家に住み始めると、そこはすぐ隣が基地で、殺人的な爆音の下で暮らすことに。
でも、昔のあたりまえの生活がしたくて、立ち退きもせず、畑を耕しながら暮らしていて、1ヶ月後にかじまやーを迎えるという時、東京から劇団の人が来て、カメおばあのことを芝居にしようと、街の人たちを巻き込んで稽古が始まる……という、劇中劇。
劇中劇になっているから、昔(戦後)も今も何も変わっていない、どころか、むしろひどくなってる現状なんかもよくわかって、深刻なのに笑いがあって、深刻なのに笑えるから、ずずーんと心に響いてくるんだ。
演出がいいというのは、こういうことを言うんだな、とつくづく感じたほど、無駄がないし、まとまっていて、引き込まれた。
演劇は、字が読めなくても観ればわかるし、ライブだし、あらためて演劇のもつ力のすごさを感じた。
とにかく、とってもよかったのだ。
全国の人に観てほしいと思った。
主人公のカメおばあをやった吉田妙子さんは、ほとんど後の畑をもくもくと耕しているんだけど、存在感があって、ほんとに素晴らしかった。
私もそういう役者になりたいな。